ホットワックスのベース作り。果たして何回かけるのが正解なのか?なかなか悩ましい問題です。所説ありますが私なりの考えを書いてみたいと思います。
メーカー推奨はまさかの30回!?
私が愛用しているワックスメーカー「ガリウム」のホームページに掲載されているワックスの施工方法を見ると、ピング、バイオレット、ブルーの順番で各10回を推奨とあります。そしてシーズン中はゲレンデの雪面温度に合わせたベースワックスを1回、滑走ワックスを1回施工を推奨しています。
確かにこれは「完璧」と呼べる施工方法だと思います。しかし競技者でもない個人レベルで30回はさすがにハードルが高すぎかと…。私もかなりの道具オタクですが、さすがに30回はかけたことはありません。最高でもガリウムのベースワックス(白いやつです)、ピンク、バイオレット、ブルーを各5回の計20回が自己最高記録?です。(かなり疲れます。)
ホットワックスを何度も繰り返す理由
シンタードソールの場合ですが、ワックスは塗るのではなくて染み込ませます。(※所説あります。シンタードソールについてはスノーボード ソールの材質をご参照ください。)
↑はシンタードソールの断面イメージです。水色の部分がシンタードソールの分子で白い部分は分子の隙間です。この状態ではワックスは全く無い状態です。
ベースワックス(灰色の部分)を入れた状態のイメージです。ガリウムが推奨しているように柔らかいワックスから入れないと奥まで浸透しないのではないのかなと思っています。
例えばいきなりガリウムを青を入れるとワックスが固すぎて↑のように奥まで入っていかないのではないかと…。
こんな感じで柔らかい→固いワックスをミックスしながら入れていきベースを仕上げていきます。ワックスの層を作って滑走ワックスの吸収性を良くし、ソールを保護します。本当はワックスアイロンの熱でソールが膨張して分子の隙間が開いて…みたいな原理があるようですがここでは割愛します。
肝心の回数は何回なのか?
実際のところソールの厚さは2㎜程度です。1回のホットワックスでどれぐらいの層ができるのかは検証しようもありませんが、ガリウム推奨の30回で考えると「2㎜÷30=0.06㎜」となり、1回でたったの0.06㎜?ということになってしまいます。もうちょっと入ってそうな感じはします(入っていてほしい)がどうなんでしょうか…。
私の場合ですが新しい板を買ったりソールにリムーバーをかけて板をリセットした場合、ピンク、バイオレット、ブルーを各3回でベースは良しとしています。後はゲレンデに行く前にその日の雪温(当日のゲレンデ気温を目安にしています)に合ったベースワックスを1回、滑走ワックスを1回入れています。帰ってきたらクリーニングワックスをかけ、また次のベースワックスを入れて…という運用をしています。
回数についてはそれは多いほうがいいのでしょうが、ベースが仕上がった後ではガリウムの推奨でも滑走前にベースワックス1回、滑走ワックス1回で運用となっています。1日の滑走で2回入れたワックスが抜けたりしないのではないか?と個人的には思っています。2日滑る予定ならベースワックスを2回、滑走ワックス1回というようにベースワックスの回数を増やしています。
滑走ワックスは何回も入れなくていいのか?
実際のところ、ハイシーズン(1月から2月)なら滑走ワックスはいらないんではないかなと最近は思っています。なのでハイシーズンの場合は滑走ワックスを生塗りしてからベースワックスをかけて行くことが多くなりました。(滑走ワックスは高いので…)ただし、シーズン初めや3月中旬以降などのシャバ雪が予想される場合はケチらずしっかり滑走ワックスを入れて行きます。現地で板が走らなくて後悔したくないからです。
最後に
検索でこのページに辿り着いた方はホットワックスをかけることができる環境があり、板を大事にしたい、もっと走るようにしたいと考えている方だと思います。ベースの回数については自分ができる範囲でできるだけ多く、というぐらいでいいと思います。私も昔はかなりメンテナンスに神経質になっていた時期があり、仲間の板も預かりメンテナンスしていたので滑りに行く前に疲れていた時期がありました。昔の自分にアドバイスできるなら「メンテはそこそこでいいからもっと滑ることを重視しろ」と言いたいです。あくまでもスノーボード、スキーを楽しむためのワックスですのでこれで疲れてしまっては本末転倒ですので…。
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