ある日突然、我が家のレンジフードからキュルキュルと異音発生です。かなり耳障りな音で到底我慢できる物ではありません。さて、どうしたものか…。
メーカー修理の値段を調べてみる
我が家のレンジフードはタカラ製のVU-903という品番です。タカラの修理価格をWEBで調べてみると、モーター代金が8,000円程度、出張修理費が10,000円!(場所によりけり)ぐらいだとか。メーカーの修理なので仕方ない価格ですが、異音の質からしてベアリングの不良なので、これだけのために合計18,000円、これは痛い…。
リビルド品のモーターを販売している業者もありましたが、値段は要問合せになっていてわざわざ問い合わせる気にもなりません。色々と調べているうちに、自分でモーターのベアリングを交換いているページをいくつも発見しました。これなら自分でもできそう、と思い早速分解に取り掛かります。(真似する場合はくれぐれも自己責任でお願いします。)
分解手順
1.フードの取り外し
最初に邪魔になるフードを取り外します。上画像で示す部分の裏側にネジがありますので、少し緩めます。(完全に緩めるとフードが落下するので注意してください!)
これは右側の画像です。左右のネジを緩めたら、スイッチのコネクターも外し、フードを持ちあげると外れます。
2.上部カバーの取り外し
次に、上部のカバーを取り外します。赤丸で示す部分の裏側左右にネジがありますので少し緩めます。
ネジは完全に緩めなくても上部カバーは外れます。3~4回転ぐらい緩めればOKです。カバーを手前に引っ張れば外れます。
3.レンジフードの電源を遮断する
上部カバーを取り外したのは、レンジフードの電源ケーブルを抜いておきたかったからです。電源が入っている状態で作業するのは危険ですからね。VU-903の場合はコンセントタイプでしたので、抜いておくだけでOKです。もし直結されていたら、ブレーカーを切るなどの作業が必要です。
4.ファンの取り外し
ファン本体を取り外します。赤丸部分の蝶ネジ4本を緩めると丸い形状のカバーが外れます。次に中央の大きなネジを緩め、ファン本体を取り外します。このネジは「逆ネジ」となっていますので、右側に回すとネジが緩みます。
5.ファンカバーの取り外し
ファンカバーを取り外します。赤丸部分のネジを取り外します。(画像は右側です。)
左側も同じように取り外します。これでファンカバーが外れますが、スペースがかなり狭いのと、上側がしっかりハマっていてなかなか外れません。私はファンカバー下側を手前に引くようにし、思い切り引っ張ってようやく外れました。
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6.モーターの取り外し
モーターを取り外します。最初にモータのコネクターを抜いておきます。次に、赤丸部分のネジを4本取り外すとモーターが外れます。(モーターを落とさないよう注意!)
7.モーターの分解
赤丸部分のネジ4本を取り外すとモーターが分解できます。ケーブル部分のパッキンが結構きついのでなかなか開きませんが、慌てずにゆっくり開いて中のローターを抜き出します。
これがローターです。前後にベアリングが2個、圧入されています。手で回すと手前側(画像では右側)のベアリングは明らかにゴリゴリとした感触があります。ベアリングのサイズを計測すると、外形:30mm、内径:10mm、厚さ9mmとなっています。型番は6200ZZと刻印されていました。
早速、ホームセンターにベアリングを調達しに行きます。ベアリングの販売コーナーには選択表がありますのでそれを見て確認し、同じサイズの物を買ってきました。末尾がZZEとなっていますが、サイズは同じなので問題ないでしょう。1個225円でした。
8.ベアリングの交換
ベアリングは圧入されていますので、手では外れません。専用の「ベアリングプーラー」という工具が必要です。私は昔に購入したプーラーがありますのでこれを使用しています。スーパーツールのG3という物で、3,500円ぐらいです。ただ、VU-903の場合このプーラーでは問題があります。(理由は後ほど…。)
最初に、後ろ側のベアリングを外します。ローターのシャフトには「Eリング」が取り付けられているので、これを壊さないようにベアリングだけにプーラーの爪を引っ掛かけ、プーラー中央のネジを締め込んでいくとベアリングが外れます。
後ろ側のベアリングが外れました。
次に、前側のベアリングを外しますが、ここで問題発生です。VU-903はローターのシャフトが長く、スーパーツールのG3ではベアリングまで爪が届きません。もう一つ上のサイズG4なら届きそうですが、頻繁に使う道具ならともかくこのためだけに購入するのも馬鹿らしいので、プーラーを改造してみます。
適当なステーを買ってきて、プーラーの中間ジョイント部分を延長してみました。ステーを切断したり、穴の径を拡大したり結構大変でしたが、1枚56円!です。手間をかける価値はあります。
改造プーラーでベアリングを抜いていきます。見事に外れていきます。
プーラーのネジが締め切れなくなるので、途中で中間ジョイントを元に戻して作業を継続します。
無事に、前側のベアリングも外れました。
9.ベアリングの圧入
いよいよ、新品のベアリングをローターに組み込みます。
ベアリングの内側部分を叩けるよう、固い筒状の物を用意します。私は塩ビ管のパーツコーナーで売っていた物を購入しました。塩ビ管をベアリングに当て、ハンマーでコツコツ叩きます。固いコンクリートの上などに木片を敷き、叩くとすんなり入りました。ベアリングがEリングに密着する位置まで入れば完了です。
前後のベアリング取り付けが完了しました。後は、分解した手順の逆で組み立てていきます。
組み立てが完了し、ドキドキしながらスイッチを入れると…とても静かです。やってよかった!これでしばらくは大丈夫そうです。
修理にかかった費用
べアリング(265円×2)=530円
ステー(56円×4)=224円
塩ビ管(75円)
合計:829円!プーラーを購入したしても5,000円ぐらいでしょうか。手間はかかりましたが、かなりの節約となりました。
【2023年11月追記】
ベアリング交換してから約7年が経過しました。最弱にて24時間常時稼働していますが今のところ異音、不具合は無しです。
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